スタートアップ業界でよく使われるワード集 part2

前回、ボリューム的に考えて、途中で切ってしまった、

スタートアップ業界でよく使われるワード集 part1

の続きになります。説明の難しそうなワードを後にもってきてしまったため、今回は入力する指が重かったりします。何度も書きますが、もっと詳しく知りたい方は、ウィキペディアで調べてください。その調べるといった行為に至るまでの助力になればと思って書いています。ただ、解説だけだと面白くないので、内容に色づけし、しょうもない蛇足つけています。自分の独断の偏見を含んだ感想なんて書いたりしていますが、そこは大目に見てください。それと、過去の記事が少しわかりづらかったと思った方、この記事を読んでいただいた後、もう一度、過去記事を読んでみてください。

ワード解説 part2

ピッチ

アントレプレナー

メンター

スタートアップのステージ

アクセラレーター

インキュベーター

Co-working space(コワーキングスペース)

シェアリングエコノミー

EXIT(イグジット)

クラウドファンディング

ICO

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ピッチ

最近はスタートアップ業界以外でも使われてきているようだが、一応シリコンバレー発祥の言葉である。簡単にいうと、売り込むためにプレゼンテーションすること。プレゼンテーションとの違いは、ピッチの方が気軽で短く、誰に対してもわかるようにする(専門用語を使わないで行う)ということである。7分ピッチや5分ピッチなどがあり、数十分行うプレゼンテーションと比べれば、明らかに短い。最近は、日本でも3分ピッチなども見かけるようになってきた。エレベータホールで、偶然会った投資家に1分でピッチを行ったことが由来とされる、「エレベータピッチ」という言葉もあり、これは1分で行うピッチである。自分のやっている仕事・勉強の意義や目的を他人に説明できるように1分でまとめることは意外と難しく、自己整理のためにも、ぜひ作って見ると面白い。私の場合は、内容に色々盛り込もうとして、1分にまとめるためにはやたら早口になってしまい、何をいっているのかわからないという指摘をよく受けるのである。

アントレプレナー

起業家の事。新しく事業を起こす人を指している。スタートアップ業界では、アントレプレナーばかりで、ファウンダー(創業者)は例外なくアントレプレナーである。学生のアントレプレナーも多い。ちなみに、とあるセミナーで会った「僕は中学校3年です。今からでも起業したい!」という少年(?)がいた。当然、彼もアントレプレナーとなるわけである!!

メンター

メンタリング(対話・助言などで促す指導方法)をしてくれる人。すなわち、仕事上の指導者、助言者の意味。 メンター制度とは、企業において、新入社員などの精神的なサポートをするために、専任者をもうける制度のこと。 メンターは、相談者に対し、キャリア形成をはじめ仕事上のさまざまな悩み相談を受けながら、育成にあたる。スタートアップは比較的若い人が創業する事が多いため、メンターによって、その道が左右される事が多く、いかに良いメンターを探せるかも、自分の人生設計や起業への取り組み方にとって大事になる。私にも、「メンターなんていらない!他人の後追いはしない!自分の道を進む!」なんて考えた時期もありましたよ。みなさん、どうですか?

スタートアップのステージ

スタートアップ企業の現在の時期(ステージ)を表す言葉。投資における成長区分のうち、起業する前を「シードステージ」・企業した直後の時期(1年目位まで)を「アーリーステージ」(「スタートアップステージ」と呼ぶ事もある)と呼ぶ。会社内にチームができ、プロダクトが完成してくると、「エクスパンションステージ」と呼ぶ。その後成長してくると、「グロースステージ」と呼ばれる。「ステージA」「ステージB」といった区切りで呼ぶこともあるが、これは資金調達をしたVCに対して優先株A(最初の調達なので、エンジェルにもA株を社債から転換する)を発行したタイミングを「ステージA」、同じく優先株Bを発行したタイミングを「ステージB」と呼ぶ。「シード」「アーリー」ステージ辺りのスタートアップが、いわゆる起業タイミングであり、混沌としているため個人的には転職先にはおすすめしたい(なかなか難しい時期だとは思うが)。

アクセラレーター

スタートアップの設立者(起業家)に早い段階から成長を促進させるプログラムを提供する組織。スタートアップの設立者は、自分のビジネスを早く成長させるための支援を受ける事ができる。期間を決めたプログラムが提供され、大規模なメンター達とネットワークが与えられる事が多く、アクセラレーターのプレスリリースを通じて広告戦略的にも優位になる可能性がある。最近では少額の資金提供をしてくれるアクセラレーターも多く、自分達に合ったアクセラレーターに巡り合ってプログラムに入ることにより、事業がうまく回りだす事になる。日本の場合、各自治体が行っているプログラムが数多くあり(米国では自治体が関係している事は少ない)、内外の有名アクセラレーターとタイアップを行って充実した内容のプログラムを提供してくれる。是非地元で探して応募してみよう。

インキュベーター

生まれたばかりの赤子の入れる保育器から来ている言葉。シードステージやアーリーステージのスタートアップを支援するための制度。最近は物理的施設や設備を含めた支援を提供する組織を指す。米国では、経営や組織管理の支援を提供する組織もインキュベーターと言う。アクセラレーターのようにスタートアップの成長を加速させる組織ではなく、組織構成やビジネスモデルを作る事を目的としている。インキュベーターに支援してもらう事は、アクセラレータープログラムに入るための壁や試練よりも少し低いため、起業を思いついた最初の時期からコンタクトを取ってみよう。

Co-working space(コワーキングスペース)

Coという英語は、主に「共同」といった意味で使われる。ワーキングスペースは、仕事場。すなわち、「共同仕事場」という意味になる。都会に行くと事務所を借りるのもかなりのコストが必要なため、1人~数人の初期スタートアップでは、そのコストを考えて、あえてコワーキングスペースで仕事をするという事が多い。最近では、士業(税理士や社労士)などの個人事業主の他、大企業の社員が事務所外や出張時に使うために契約している。月に5,000円~15,000円位の会費を払えば使い放題になるのが普通で、時間単位でスペースを借りる事(ドロップイン)もできるのだ。競争が激しくなってきたのか、コワーキングスペース側も特色を打ち出していて、モノづくりができるスペース(レーザープリンターや3Dプリンター)を併設していたり、常時こだわりのコーヒーを飲めたり、毎日のようにイベントを開催していたりしている。アメリカ(特にニューヨーク)で有名になったコワーキングスペース「WeWork」が、アジア進出のためにソフトバンクから資金調達した話(TechCrunchの記事のリンク)は、新聞をにぎわせたが、WeWorkの対抗馬で中国の「naked Hub」なども勢いがあり、よく紙面をにぎわせている。私個人としては、会員になると世界のどこにいっても使えるようになる、グローバルなコワーキングスペース(もしくはグローバルで提携している)が、もっと増えて欲しい。スタートアップからみると、安く仕事場を確保できるのと同時に、似た環境の顔見知りができ、ネットワークが広がるという利点もある。

シェアリングエコノミー

個人の遊休資産(持っている本人ですら使わず、遊んでいる資産)を、誰かに使ってもらって、価値を生み出す事。インターネットで仲介するサービスを指すことが多い。トレンドとして、このサービスで事業計画を立てるスタートアップが多い。有名な民泊サイト「Airbnb」も、部屋という遊休資産を誰か(旅行者)に使ってもらうサービスなので、シェアリングエコノミーである。日本ではパットしないが、世界中で規制と戦っている白タク仲介会社(笑)の「Uber」も「時間のあるドライバー+車」という遊休資産をシャアするサービスなのである。部屋や車以外にも、スペースや駐車場から人間(空いた時間等)までをシェアリングしようというビジネスモデルが続々と登場している。私の密かな楽しみは、スタートアップのピッチを見る際、次は何のシャアリングが出てくるのだろうか?と思いつつ見る事である。スタートアップ業界では、普通では考えつかない色々な資産がシェアリングされているのである。

EXIT(イグジット)

普通は出口の英語だが、スタートアップ業界では、創業者やベンチャーキャピタルが投資した資金を回収する方法、つまり出口 (EXIT)戦略 のことを指す。 イグジットの方法としては大きく、新規株式公開による株式市場での売却(IPO)と、M&A(バイアウト)による株式売却等(大企業に事業を買ってもらう)が挙げられる。これがうまくいくと、株を持つ創業者やストックオプションで株を持つ初期メンバーなどが、ウハウハになるわけである!名の通り、スタートアップの一区切り(ゴール)である。(もちろん、EXITした後も会社経営し続ける可能性はあるのだが)

クラウドファンディング

不特定多数の人がインターネット経由で他の人々や組織に財源の提供や協力などを行うことを指す、群衆(crowd・クラウド)と資金調達(fund・ファンド)を組み合わせた造語である。 ソーシャルファンディングとも呼ばれる。スタートアップ企業への出資以外にも、ファンによるアーティストの支援、政治運動、映画、ソフトウェアの開発、発明品の開発、科学研究、個人・事業会社・プロジェクトへの貸付など、幅広い分野への出資に活用されている。最近は日本のクラウドファンディング会社も増えてきたが、やはり本場米国の2大サイトが、「Kickstarter」と「indiegogo」である。米国の銀行口座がないとプロジェクトを始められないため、日本からのプロジェクト作成は敷居が高かったが、kickstarterが日本上陸(マイナビニュースへのリンク)を果たのでその敷居も低くなるだろう。ちなみに、FabFoundryの説明ピッチでも紹介しているが、ハードウェアスタートアップがクラウドファンディングで資金集めに成功(プロジェクト成功)しても、おおよそ半分のプロジェクトが、その後の出資者へのプロダクト送付の過程で問題を起こす(納期遅れを含む)。原因は量産がうまくできないのである。そこをサポートするエコシステムを作るのが「FabFoundry量産エコシステム」である。

ICO(Initial Coin Offering

最近よく聞く言葉だと思う。今年になって急速に拡大している、スタートアップの資金調達方法である。最先端の言葉で、説明が難しい。「ビットコイン」の概念や、その元である「ブロックチェーン」の仕組みが分かっていればICOも理解しやすいのだが、それらを解らない人でも理解できるように、ざっくり説明する予定だが、どうしても長くなってしまう。「ブロックチェーン」や「ビットコイン」は、スタートアップを通り越した世の中の概念(話題)なので、各自で調べてほしい。

「EXIT」の説明でも書いた株式新規公開をIPO(Initial Public Offering)と言うが、このPublicをCoinに、すなわち株式を仮想通貨のコインに変えて「コイン新規公開」する事をICOという。自社オリジナルの仮想通貨コイン(コインという概念であり、物理的なコインではない)を発行し、ユーザーに仮想コインを買ってもらう。発行した会社が大きくなって、そのコインを買いたい人が増えると、コインの価値が上がる。すると現在のコイン保有者がキャピタルゲイン(売買差益)をして儲かる。それを見てさらにコインを買いたい人が増える。こういった仕組みで「コイン保有者に利益を与えるのでコインを買ってくださいね」という事をうたい、ICOしたいスタートアップが自社コインを発行し、そのコインを売る事によって資金を得るのである。

まさにネット上で売買されている株式と同じ発想で、株式が仮想コインに変わっただけに思われるが、株は会社が法律に基づき発行し社の財務諸表にも載せている。一方仮想コインは、そのような縛りもなく、自由にいくらでも発行できる。もちろん発行しても、買ってもらえなければ、会社の手元に残るだけである。仮想コインは、法律的(まだ法律が追い付いていない)にも何も保証もなく、定義自体が曖昧なため、「この会社大きくなるので買って損はないですよ」といった詐欺に使われる可能性もあるので注意が必要になってくる。

なぜここまで、ICOが話題になったのか?今までは、株式公開前の会社(スタートアップ)の株に関して、一般的に売買が難しく、それらスタートアップへの投資も、VC(ベンチャーキャピタル)というプロフェッショナルしかできなかった(米国では、スタートアップに投資(エンジェル)できるのは一定以上の資産も持った人だけと法律で決められている)。それが、ICOを行う事で、株式公開前のスタートアップに、一般の人も投資できるようになったのである。リスクは多いが、ハイリターンであるスタートアップへの投資が、クラウドファンディングと同じで、一般人でも投資できるようになった。この事で、一般の人のお金が一気に流れ込み、バブルになっているのである。

ちなみに中国では、このバブル騒動に待ったをかけるべく、つい先日(2017年9月初旬)、中国国内でのICOが禁止された。「詐欺に使われる可能性が高く、一種のねずみ講である」というのが理由だそうだ。(TechCrunchの記事のリンク

ICOは、実際に動き始めたのが今年(2017年)からなので、今後どうなるかはわからない。注視しておくべきだと思っている。といった感じで、今回はおしまい。あなたも、この業界のプレスリリースであろうが、ブログであろうが、結構読み解けるようになったはずですよ。それでは、チャオーーーー。


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