スタートアップ業界のススメ 第二回

スタートアップ業界のススメpart2

前回の記事「スタートアップ業界のススメ 第一回」では、ビジネス的な特徴を述べました。主に、スタートアップを立ち上げる時や、起業する人には参考になったかもしれませんが、少し万人向けではなかったかもしれません。今回は第二回目として、スタートアップの中で働く場合を考えてみました。これからスタートアップ業界に就職を目指す人や学生、スタートアップの中の人を知りたい外部の人、これらの人にも参考になるように心がけつつ、書いてみたいと思います。今回も、主観ですし、私の理想論で書いている部分がありますので、ご容赦を。

スタートアップという業界で働く場合?

 前回のブログ「スタートアップ業界のススメ 第一回」では、ベンチャー企業(スタートアップ)と通常の企業の違いを述べました。ただ、周りの方が興味を持っているのは、スタートアップの会社自体の事よりも、スタートアップで働くようになって、何が変わったの?今までの仕事とどう違うの?という事のようです。今回は、こういった疑問に答えるべく、スタートアップで働くという事は?という事を自分の体験をもとに書いてみたいと思います。

スタートアップ業界で働く人たちとは

まず定義しなければいけないのが、スタートアップ業界の人って、どんな人?どこに勤めている人?という事だと思います。これに対して、

① スタートアップ企業の中の人

② ①をサポートしてくれる団体、企業の中で、直接①と接する部門の人

この2つの人達と定義します。①に関しては、そのままの意味で、この業界の中心的な人たちになります。②においては、行政や大企業の人も多くいますが、まだまだ②が①を直接サポートできていない場合もあります。特に大企業には、「面白そうなスタートアップ業界に対して、何かの関わりを持っておく必要がある」という漠然とした認識のもとに人が配置される場合があるのです。これはスタートアップ(①)側からは大変ありがたい存在であり、今はまだ名だけの部門であっても、理解が深まってくると①にとって大いに役立ってくれる部署になる可能性があるのです。どちらにせよ、②の方々は、スタートアップ業界に入り込み、物理的なサポートやメンター(精神的・知識的にサポートしてくれる人)という形で色々な手助けをしてくれます。当然の事ながら、ベンチャーキャピタルといったスタートアップに資金を投資してくれる集団もこの中に入ってくるでしょう。それら、スタートアップの周りを支える人たちや団体といっても、それぞれ自分たちの役割もち、自分たちの立場にたって業界に入ってくるため、考え方はバラバラです。しかし、スタートアップ業界を牽引していこうという意志は同じなので、私の定義では、この②の人すべてを、スタートアップの業界の人と定義します。ちなみに、ベンチャーキャピタルに資金提供している各種団体(VCに出資している金融機関等)は、直接①と接しないため、スタートアップ業界とは言えないでしょう。

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スタートアップの仕事とは?通常企業との違いは?

スタートアップに必要な能力の話はまたの機会にするとして、やるべき仕事としては、「資本主義+民主主義」の世界で働いていると考えれば他の企業と同じだと考えられます。スタートアップは、起業中や起業から数年のフェーズが多い(一般的にそのフェーズの企業をスタートアップと呼ぶのですが)ため、一般企業(安定企業や老舗企業)の、新規事業や新規部門の立ち上げ時の状態に似ています。フェーズが進まないと安定した収益を得られず、働いている人も最小限しかいないため、従事者(創業者を含む)は自分達の働きがそのまま会社を左右するという事を理解しています。仕事自体は楽しんでいる人が多いと思いますが、危機感を持って働いているのです。

一般の大企業は、組織の上下の意思疎通の問題から、実行部隊が目的を見失いながらプロセスが進む事が多く、やらなくても良い仕事に時間をかけるといった無駄が少なからずあると言われていますが、スタートアップがこれと同じ状態になれば、一大事になります。スタートアップにとって一番大事な事は時間であり、人的リソースも少なく、さらに資金に余裕もないため、工夫をこらしつつ、非常に効率的に動く必要があります。従事者が少ないという利点を生かし、全員が共有できる目的を持ち、その目的に向かって一直線!といった形をとらなければいけません。最近は、一般企業ですらこの方法をしばしば用いるようになってきています。プロジェクトに「リーンキャンパス(Lean Canvas)」を使用し、システムプロダクトも「MVP(Minimum Viable Product)」から始め「PMF(Product/market fit)」を経て作るといったスタートアップがこれまで用いてきた手順が注目されています。すなわち、大企業ですら、組織を細分化し、スタートアップが用いた方法を使ってビジネスを展開していくといった方法を用い初めているのです。大企業(巨象)が、スタートアップ(蟻)の方式に似せてきている(近づけている)って、なんとも痛快だと思いませんか?

少し難しい言葉を使用しましたが、後のブログ記事でこれらの言葉を説明する予定です。今は「スタートアップが用いる、(問題定義-ヒアリング-学習-解決)という順でビジネスを創造する方法」と思ってください。私の記事が公開される前に詳しく知りたい方は、一度調べてみてください。

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習慣(?)の違い

難しい話題が続いたので、ちょっと軽い話題を!私がこの業界に入ってわずか数か月の間に知り合ったスタートアップの方々や、片足を突っ込んでいるこの業界には、独特の「ニオイ」があります。その「ニオイ」を、少しだけ独断と偏見を混ぜて書いてみます。(決して怒らず、笑ってください)

  • 服装がラフ

これは、面白いです。要は見た目を気にしない。スーツの方もいるし、デニムの方もいる。革靴もスニーカーもいる。セミナー等ではこれが混在しています!アップル社の発表会でデニム姿の偉い方(ちょっと前だとスティーブ・ジョブズ氏とか)が発表していたのを記憶している方もおられると思います。ミーティングの内容が大事であり、発想やアイデアを妨げるのであれば、「何物にもとらわれる必要はない」という事なのでしょう。

  • コミュニケーションの順位で電話が低い

これは、私が勝手に感じただけで、もしかしたら業界関係なく、時代の移り変わりなのかもしれませんが、電話でアポイント取るより、メールでアポをとる事が多いです。また、知り合いにその知り合いを紹介してもらう場合、今まではアポとって会わせてもらう事が多かったのですが、最近は、メッセンジャーで同じチャット部屋に紹介してもらう人を呼んで、あとはどうぞ〜みたいなのが多いです。私は昔からあまり電話が好きではなく、メールの方が発信側も受信側も自分都合でコミュニケート可能なので好きでした。ただし、英語なら敬語等ないし、ダイレクトな言い回しで良いので、あまり文体考える必要がなくメールで用件を伝えやすい気がしますが、日本語は言い回しが本当に多いので、文章のみで用件を伝えるのは、なかなか難しいと感じます。

  • みんなノートPCを持って動き、紙を使わない

連絡はメールがメインという箇所にもつながりますが、基本はノートPC持って移動しています。特にスタートアップの人間は、自分たちのビジネスモデルを説明する機会がいつ来るかわかりません。エレベーターを待つ間にピッチをする(エレベーターピッチ。1分前後のピッチを指す)という言葉が生まれる位、ピッチやアピールはスタートアップには大事なのです。よって、プレゼンテーションするためのツール(PCとモニターにつなぐ端子)は常に持ち歩いています。また、スタートアップの初期段階は、事務作業をコワーキングスペースで行うため、持ち運べるノートPCが必要になるのも理由の一つでしょう。もちろんミーティングの際の議事録や資料は、ノートPCで見たり書いたりしています。ほとんどの資料がペーパレス化され、ミーティング資料・配布資料・セミナー参加書にいたっても、すべて電子データです。ちなみにノートPCのメーカーを見ると、Mac率が高いです。私もMac bookを初めて書いましたが、マウスがない状態での作業(パットを使いながらタイピング)だと、Macは確かに使いやすいと思います。

  • スタートアップはメンバーが若い

相対的な問題なのかもしれませんが、前職の時にお付き合いしていた社長様達は、たいがい私と同年齢以上の方が多かったです。しかし、スタートアップ企業の創業者を含めた従事者(働く人で紹介した①)は、予想通り若い方が多いです。一方、メンターを含めたサポート陣営(働く人で紹介した②)は、年齢層がばらばらです。ただ年齢がどうであれ、「ヤワラカ頭」を持つ人の割合は多いと思います。スタートアップには「悩む前に進む」という考えが必要であり、立ち止まっている時間がありません。年を重ねると、経験という「メリット」にも「デメリット」にもなる知識によって、「進む前にまず悩む」になってしまうのです。その考えも大事ですが、スタートアップに限っては、「悩む前に進む」という考えを先行させる場面が多いため、どうしても若い人が多くなってしまうのではないでしょうか。

  • 発想が大事であり、かつ成果主義でもある

スタートアップ企業の中に入ると、普通の企業では常識的に怒られそうな私物を、事務所に置いている人が多いです。また、周りの人がそれを許容します。自由な発想を持つために必要な事は、自己管理枠を設けさせ、その枠内で自由にして良いという事なのでしょう。また、ワークスタイルも自由な場合が多いようです。ただ、前述の通り、自分達の働きがそのまま会社を左右するため、成果がでなければ、会社が終了してしまいます。それを目の当たりにしたわけではありませんが、うまくいかないと思われたスタートアップ企業に対しては、この業界は非常にシビアになるはずです。「スタートアップなんて、いくらでも出てくるのだから」と少なくともサポート陣営(②の人たち)は思っているはずです。だからこそ、スタートアップ企業側も、知恵をしぼり、アイデアをさらにブラッシュアップします。逆の発想で考えると、成果を出せるなら時間をかけても大丈夫です。成果がでそうになり、資金がつくまで、創業メンバーで頑張る事ができるであれば、そのスタートアップは成功するのであって、そこまでかかった期間は関係ない(そこまで長期間かかると、創業メンバーであれ、ギブアップする可能性が増えますが)のです。

スタートアップの仕事は難しくない

このようにスタートアップ業界には、独特な空気感はあるものの、「特別な仕事があるという意識を持つ必要はない」という結論になります。どのような企業も事業をやっていく上では、知恵をしぼり、工夫して、行動を起こし、時には冒険を、時には石にかじりつく必要があるのです。ただし、「流れている時間を意識する事」や、「自分にかかる責任度合いを考える事」には気を付けましょう。この事が、スタートアップのスタートアップたる所以だと思います。

仕事が難しそう?といった懸念を持つ必要はありません!!スタートアップに興味がある人、飛び込んでみてください。スタートアップを起業しようとしている人、思い切ってみましょう。きっと何かが開けるかもしれません。


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